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マニュアル形式はお笑い本のセールス救世主かも?(4)

(前話はこちら)
既存の宗教を焼き直そう
 前項ではいちからオリジナルの神を作る方法を説明しました。しかし、「機能的な神を作るって、なんだか難しそうだなあ」と感じた人も多いと思います。ですが、まだ諦めないで下さい。実はもっと簡単なやり方もあるのです。それが既存の宗教を焼き直して利用する方法です。
 というのも、実際のところ、新興宗教にしろ伝統宗教にしろ、いちから神も教えも作ってやっているところはあまり多くありません。仏教、キリスト教、イスラム教の世界三大宗教も、どれも従来からあった神を使っているだけで、教祖が自分で神を作ったわけではないのです。教祖がオリジナル神を作った大手伝統宗教はアフラマズダを作ったゾロアスター教くらいでしょうか(これにしても元からあったヴァルナ神と同一という説もあります)。
それよりは既存の宗教から発生して、教えにオリジナリティを加えたり、一部を否定したり、先鋭化したりして、自分たちの宗教としてやっている方が遥かに多いのです。
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 つまり、社会が常に正しいわけではないということです。古代ユダヤ社会で徴税人や売春婦たちが受けていた職業差別は、現代からするとあってはならないことです。しかし、当時のユダヤ社会で社会的であろうとすれば、彼らを差別せざるをえませんでした。社会的であるというのは良いことばかりではないのです。
新興宗教はそんな硬直化した社会に対して、反社会的な鉄槌を下す役割もあるのです。「うるせえ、お前らがどう言おうとオレはこれが正しいと思うんだ!」というのが新興宗教なのです。ですから、宗教の役割は社会に迎合することではなく、むしろ、社会通念に逆らってでも、正しいと信じることを主張することなのだと考えて下さい。

 これを現代に置き換えて、もう少し具体的に言及しましょう。
 皆さんは教祖となって人々をハッピーにするのがお仕事ですが、そもそも、現在不幸な人というのは、社会の提示する価値基準に照らして不幸なわけです。つまり、貧乏だとか、恋人がいないとか、出世できないとか、そういうことで不幸になっているのですから、あなたは彼らに社会とは別の価値基準を提供すれば良いのです。「お金なんかない方が幸せだ」「家族など修行の妨げである」「世俗の出世に何の意味があろうか」などなど。どれも反社会的ですが、こうすることで社会的弱者である彼らを、別の価値基準、つまり、あなたの提供する価値基準でハッピーにすることができるのです。

 ですから、あなたのすぺきこととは、①社会の基準で幸せになれない人を見つける、②反社会的な基準を与えてその人を幸せにする、ことだと考えて下さい。一例を挙げるなら、ニートを幸せにする価値基準などを考えれば良いでしょう。これには仏教が参考になるはずです。
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このあたりから筆者の生真面目ぶりを、そろそろ伺わせます。
核心を突き、決してハズしていないけれども、「面白くて笑えるか?」の視点で申せば、笑えるかどうかの個人差が大きくなってまいります。太っている人を指し「デブだ!デブだ!」と囃したてる様を笑えるかたなら、この文章でも、含んだせせら笑いをなさる余地がおありかもしれません。
もうひと盛りふた盛り、ワタクシのようなアホでもクスリと笑えるくすぐりを盛っていただきたい処でしょうか。

書名からも察せらるるように、本書は『完全自殺マニュアル』を意識しているようです。著者はパンク好きとのことですので、シンパシーも感じるのかもしれません。
また、文はこびや読者への語りかけは『大人養成講座』ら石原壮一郎のマニュアル体裁エッセイ本を下敷きとする箇所も大きい。

マニュアル体裁を採るネタ本は、不況時に関わらず散発的ながら定期的に売れる----この事実は、わたしどものようなお笑いテキスト好きにとり、朗報やもしれません。今後より一層、精緻化が見込め、英米圏ジョーク本とは異なる日本語文化圏独自のガラパゴス様展開が開ける可能性も秘めています。後人のさらなる奮迅へ、少しだけ期待しましょう。ほんの少しだけ。
「隅々までマニュアライズの浸透した現代日本へ、わずかながら風穴を開けたい。そんな思いで渋々筆をとり...」とかなんとか、それらしい発刊体面も整えやすいしな。

とはいえ、文末を「~してください」「~しましょう」に仕立て揃えただけのクズ本を濫造し、長く不況に喘ぐ出版業界のさなか、書籍問屋ご関係各位の紙クズ在庫をより増長する可能性もまた、大いにございます。
  
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このサイトは、かつて「Lankin' A Go! Go!」というサイト名で別URLにて公開していたネタや記事を多く改稿・転載しています。


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