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水の扉にイエローゲート

「あなたたちは充分すぎるほど知ってしまったので、2人ともこの家から出てはなりません」
ゴトーは身につけた長い日本刀で威嚇した。父娘は刀におびえ震え、身を寄せ合っていた。
「神のもとへやがて召されるあなたたちに、教えます。
 かつて群馬屋の倉庫の鍵を開けたのは、そこにいる、あなたのお父さんです。いいえ。“鍵引き裂きの辰”と言ったほうがよいでしょうか?」
「お染にそれは言わない約束でした!」
「お父さん。お父さん。今の説明は、本当ですか?」すがるような瞳で父・タツキチを見つめる娘・オソメ。
「赤ちゃんをひきとり更正したように見せていますけれども、あなたのお父さんは悪い人でした」
「この人は、わたしのお父さんです。
 昔がどうであれ、今ではわたしの大切なお父さんです。
 たったひとりの、私のお父さんです」
なお1人の娘に300人の父親がいる例は、日本でもあまりない。
「お染‥‥」
「あなたはお父さんを慕っていることが私にはわかりました。たいへん感心しました。それではお父さんも娘さんも、仲よく次の世紀まで送り出します」


その時。
暗闇から一迅の風車が投げつけられた。
風車はゴトーの手の甲に当たった。
おそらく風車に見せかけたシュリケーンだろう、ゴトーは激痛に耐えかね、日本刀を落とした。(訳者注:シュリケーンとはニンジャが好んで使うカードタイプの日本刀。主に投げて使う。日本の少年はオリガミでシュリケーンを作ることができる)
「それぐらいにしておいてあげなさい、後藤さん」いつの間に侵入したのであろうか。さきほどの老人が、よく通る声で彼らの会話を差し止めた。「鹿といっしょに見続けました、あなたの行いを。 あなたは新潟屋と結託し治水工事費を横領したばかりではなく、立ち直ってつましやかに暮らす市民に強盗を強要し、その罪をかぶせようとしました。あなたとて、人のことは言えないのではありませんか?」

糾弾されたゴトーは、悔しそうにぎりりと奥歯を噛み締め、だが表情を改めこう切り出した。
「しかたがありません。まとめてみなさんの面倒を見ることにします。
 おーい!みんな!出会ってください!出会いに来てください!新しいみなさんに挨拶を!綺麗に!綺麗になさい!」
しかし老人はゴトーの庇護の申し出を断ったばかりではなく、極端な態度をとった。「助さん、格さん、彼らに極刑を与えよ!」
なぜか大乱闘が始まった。


「お静かに!お静かに!」カクノシンが場を制した。「まあまあ。抑えて、抑えて。」自分たちでけしかけておいてこの態度はいかがなものであろうか。
「この薬入れのマークが見えますか?
 ところで、ここにいる人は、どんな人だと思っていますか?
 元ショーグンのオブザーバーだった水戸光圀さんが、ここにあります。
 後ろのかたにも見えるよう頭をもっと低くして、このマークを書き控えておいてください!書き控えていますよね?」
皆が一斉にすわりこんだ。薬入れのマークがよく見えるようにとの配慮だろう。
2003.08初出
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